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白血病を公表した池江璃花子さんがプールに帰ってきました。

10か月間の闘病生活を経て人間力が増したように見えます。

もともとステキな方でしたが、やさしさと強さが共存する人になって帰ってきましたね。

パリ五輪を目指すとの事なので応援したいです。

 

佐藤祐造 医師

監修:佐藤祐造 医師

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名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長

 

 

子供の運動はスイミングから?

 

子供の喘息には「スイミングが効果的」とずっと信じられてきました。

ただ、それは根拠があったのでしょうか。

今回は、子供のスイミングに関して、一石を投じる成育医療センターからの報告です。

みなさんはどう思われますか?

 

国立成育医療研究センターのアレルギーセンター大矢幸弘、山本貴和子、苛原誠のグループは、同施設で2003年から一般の小児を対象として行ってきた出生コホート研究(成育コホート)において、3歳でスイミングスクールへ参加されている方が5歳時に喘鳴(ゼーゼー)や鼻炎が少なくなるのか、関連性を調査しました。

 

その結果、乳幼児期のスイミングスクールへの参加は、その後の喘鳴や鼻炎の予防効果や治療効果がないことが分かりました。

水泳による健康増進作用を否定するものではありませんが、アレルギー疾患の予防や、鼻炎に対する予防や治療を目的とした過度な推奨は必要ないと考えられます。

 

アレルギー疾患の予防や治療を目的に低年齢からベビースイミングとしてスイミングスクールに通われている方もいます。

もちろん、水泳を始めとした運動には健康増進作用がありますが、アレルギー疾患の予防や治療を目的とした過度の推奨は控えるべきであると考えられます。

 

 

 

 

子供と喘鳴の関係

 

6〜8歳の日本人の子供の喘鳴の有病率は10.2%でした。

喘鳴の典型的な原因である喘息は、喘息に関連した死亡につながる可能性があり、さらに、小児喘息が心理的負担に関連し、介護者の生活の質の低下にも影響します。

子供の喘鳴はその子だけの問題ではないようです。

 

また、6〜8歳の子供の結膜炎の有病率は18.7%であり、結膜炎の有病率は10年間増加と報告されています。

アレルギー性鼻炎は、子供のQOLを低下させ、睡眠障害を招き、日常活動の低下にも影響します。

 

 

 

 

スイミング神話

 

水泳は世界中の子供たちの間で最も人気のある身体活動の1つです。

子供による水泳学校への出席も一般的です。

2013年に、日本の子供41.2%がスイミングスクールに通っており、その理由として喘息などのアレルギー性疾患の症状を改善または予防するのに有効であることが一般的に信じられています。

 

なぜ改善されなかったのでしょうか。

プールの水を殺菌するために使用される塩素は、肺上皮に影響を与える可能性があるとされています。

累積水泳時間が1000時間を超える子供では、100時間未満の子供と比較して、喘鳴の有病率が有意に高いことが海外ではわかっています。

累積水泳時間とは、プールに長く滞在していたことを表します。

また、他にも、エリートスイマーが普通のスイマーと比較して喘息や鼻炎をもっている率が高いこともわかりました。

 

運動は明らかに子供の成長と発達に利益をもたらすことができ、奨励されるべきものです。

ただし、3歳のスイミングスクールへの参加は、5歳のときの喘鳴または鼻炎に対する予防効果も治療効果にも影響がありませんでした。

現在の研究では、喘息や鼻炎に予防または治療効果があることを示す一貫した科学的証拠がないため、喘鳴と鼻炎の予防と治療のためにスイミングスクールへ参加することを重視しないほうがよいことがわかりました。

 

スイミング神話が崩壊した形のレポートでしたが、あくまでこれは3歳から始めて5歳の子供を調査した結果にすぎません。

今後、もっと多くのレポート報告がされることでしょう。

 

(この論文は、Public Library of Science社が発行しているオープンアクセス誌PLOS ONEに掲載されました。)

 

 

出典

国立成育医療研究センターHP  低年齢でのスイミングスクールへの参加は その後の喘鳴(ゼーゼー)や鼻炎に対して予防や治療効果なし ~アレルギーの予防や治療を目的とした過度な推奨へは注意が必要~ 

Impact of swimming school attendance in 3-year-old children with wheeze and rhinitis at age 5 years: a prospective birth cohort study in Tokyo. 苛原誠、山本貴和子、羊利敏、齋藤麻耶子、佐藤未織、犬塚祐介、豊國賢治、西村幸士、石川史、宮地裕美子、福家辰樹、成田雅美、大矢幸弘 PLOS ONE 2020 June 9