麻しんワクチン

特定感染症保険

 

今回は、「麻しんって何?」「みんなにうつるの?」など質問の多い感染症の一つ「麻しん」についてのお話です。

 

 

麻しんとは

 

厚生労働省の麻しん(はしか)ワクチンポスターです。

 

麻しんワクチンポスター

 

麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。

麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力はインフルエンザの10倍以上と非常に強いと言われています。

免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。

 

 

 

 

発生状況

 

近年では、患者発生の中心は20歳以上の成人と、ワクチン接種前の0~1歳となっています。

かつては毎年春から初夏にかけて流行が見られていましたが、現在は、海外からの輸入例や、輸入例を発端とした集団発生事例を認める状況となっています。

 

 

麻しんの症状

 

風邪の症状

 

症状が風邪と似ているので注意が必要です。麻しんは2度熱が高くなります。

感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。

肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で、脳炎が発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人と言われています。

 

 

ワクチンについて

 

麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの予防接種が最も有効な予防法といえます。

 

また、麻しんの患者さんに接触した場合、72時間以内に麻しんワクチンの接種をすることも効果的であると考えられています。

接触後5〜6日以内であれば、γ-グロブリンの注射で発症を抑えることができる可能性がありますが、安易にとれる方法ではありません。

詳しくは、かかりつけの医師とご相談ください。

 

麻しん含有ワクチン(主に接種されているのは、麻しん風しん混合ワクチン)を接種することによって、95%以上の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。

また、2回の接種を受けることで、1回の接種では免疫がつかなかった方の多くに免疫をつけることができます。

さらに、接種後年数の経過と共に、免疫が低下してきた人に対しては、2回目のワクチンを受けることで免疫を増強させる効果があります。

 

 

ワクチンをうったかどうかわからない場合には

 

母子健康手帳

 

予防接種は母子手帳で確認すると確実です。

今まで麻しんにかかったことが確実である(検査で麻しんの感染が確認された)場合は、免疫を持っていると考えられることから、ワクチン接種を受ける必要はありません。

母子手帳を確認すると確実でしょう。

しかし、麻しんかどうか明らかでない場合は、かかりつけの医師にご相談ください。たとえかかったことがある人がワクチン接種をしても副反応は増強しません。

 

 

 

 

特に注意が必要な人

 

麻しんの予防接種には「空白の世代」が存在します。

特に1977年以前の出生は、予防接種が任意であったため、麻しんにかかったことがない人は、免疫がありません。ワクチン接種の対象者です。

 

ただ、自然免疫を持っている確率が高いのもこの世代の特徴です。

1978年から1990年4月1日までの出生は、一度だけ接種したか、一度も接種していない可能性が高く、自然免疫獲得確率も低いので最も危険といわれる世代です。

特に、妊婦への感染を予防するために、この世代には、ワクチン接種が最優先で推奨されています。

1990年以降の出生は、ワクチン接種を2回する機会があった世代ですので、免疫獲得確率は非常に高いと考えられます。

 

ワクチン接種の事実は母子手帳で確認できます。これを機に、ご自身の母子手帳を確認し、母親、父親と昔話などをする良い機会と捉えてはいかがでしょうか。

 

 

参考

厚生労働省HP 麻しんについて

 

佐藤祐造 医師

監修:佐藤祐造 医師

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名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長

 

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