定義

収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上になる病気。日本人のうち約4300万人が該当。
血圧が高くなる病気です。
上の血圧は心臓が収縮したときの血圧で収縮期血圧、下の血圧は拡張したときの血圧で拡張期血圧と呼ばれます。日本高血圧学会では、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上を高血圧としています。高血圧は脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めます。
血圧はたえず変動しているため、実際には病院などではかるたびに基準値を超えていると高血圧と診断されますが、国民健康・栄養調査でこの値を超えている人は3970万人にのぼっています。

高血圧症リスク

関連する健診項目

食事改善提案

減塩:高血圧と言えばいえばすぐに「減塩」と結びつく方も多いと思います。健康な日本人の成人男女が当面目標とすべき1日の食塩摂取量は各々9g未満と7.5g未満とされていますが、最近の調査結果によると何れも平均2g程度(濃口しょう油に換算すると小さじ2杯強に相当)上回っている状況です。また既に高血圧になっている方では1日6g未満とすることが推奨されています。塩分量の目安は次のとおりです。

  • 醤油(大さじ1):約2.6g
  • みそ(大さじ1):約2g
  • 梅ぼし(1個):約2g
  • ラーメン:約5g
  • カレーライス:約3g

減塩すると食事が美味しくなくなると思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。酢や柑橘類の酸味・香辛料・香味野菜を上手に取り入れると美味しく減塩食を食べられます。また、めん類のスープやだしを全部飲んだり、味付けを確認しないままに卓上調味料を料理にかけたりすることを控えるだけでもかなりの効果が期待できます。
野菜(ジャガイモ、ほうれん草、サツマイモなど)や果物(バナナ、メロンなど)には血圧を下げる働きのあるカリウムという栄養素が多く含まれています。積極的に食べるよう心がけましょう。まず野菜料理は毎食1皿以上食べるようにしましょう。生のままで食べるよりも加熱すると「かさ」が小さくなり、容易にたくさん食べられるようになります。1日当たり小鉢で5~6杯を目標に食べましょう。健康日本21(第2次)では、野菜摂取の目標値を1日あたり350g以上としている。また果物は1日当たりバナナ1本とオレンジ1個程度を目安に食べましょう。
節酒純アルコール換算で、男性は1日20~30ml、女性は10~20mlを超えないようにしましょう。一日あたり日本酒なら一合、ウイスキーならシングル一杯までの飲酒は血圧への影響は考慮する必要はありませんが、それ以上の飲酒は有意に血圧を上昇させるので注意してください。アルコール25mlの目安は次のとおりです。

  • ビール:中びん1本
  • 日本酒・ワイン:1合(180ml)
  • 焼酎0.6合
  • ウイスキー:ダブル1杯

肥満することにより血圧は高くなります。原因となる過食を防ぐため、常に腹八分を心がけて食べるようにしましょう。また少なくとも週1回以上は体重を確認するようにしましょう。

運動改善提案

運動療法は血管内皮機能を改善し、降圧効果が得られ、高血圧症を改善するといわれています。また有酸素運動が血圧に及ぼす影響を検討した複数の研究の結果、長期的な身体活動により高血圧患者では収縮期血圧を7.4mmHg、拡張期血圧を5.8mmHg低下させる効果があると報告されています。運動療法には以下のような運動種目、時間、強度、頻度が一般的に推奨されています。
運動種目:ウォーキング(速歩)、軽いジョギング、水中運動、自転車、その他レクリエーションスポーツなどの有酸素運動。
運動種目:1週間にほぼ毎日、30分以上の運動を目標とする。また10分以上の運動であれば合計して1日30分以上としてもよい。
運動種目:低・中強度の運動は収縮期血圧の上昇はわずかであるのに対して、高強度の運動は血圧上昇が著明であるため、中等強度「ややきつい」と感じる程度の運動強度(心拍数が100~120拍/分、最大酸素摂取量(体力・全身持久力の指標)の50%程度)とする。また中等強度の運動でも、急に実施するのは身体に与える負担が大きいため、掃除、洗車、子供と遊ぶ、自転車で買い物に行くなどの生活活動のなかで身体活動量を増やすことからはじめてもよいでしょう。
運動を実施する上での注意点としては、準備・整理運動は十分に行うこと、メディカルチェックを受けて虚血性心疾患、心不全などの心血管合併症がないことを確認し、運動療法の可否を確認した後に、個人の基礎体力、年齢、体重、健康状態などを踏まえて運動強度、運動量を設定する必要があります。

生活改善提案

家庭血圧135/85mmHg以上が、脳卒中や心筋梗塞にかかる率を2~3倍にも増やす危険な高血圧です。高血圧があってもほとんど症状は出ません。家庭で血圧を測定して、本当の血圧を知り、高血圧を見つけましょう。家庭での血圧の測定は、以下のように行ないます。

  1. 上腕血圧計を選びましょう。
  2. 朝と晩に測定します。(朝の測定:起床後1時間以内、朝食前、服薬前 晩の測定:就寝直前)
  3. トイレを済ませ、1~2分椅子に座ってから測定します。
  4. 1機会原則2回測定し、その平均を取ります。

禁煙タバコはやめましょう。タバコを吸う人のそばにいることでも間接的に煙を吸うことになるので、家族に喫煙者がいたら、禁煙、分煙に協力してもらいましょう。

認知症の中でも脳の血管障害、脳梗塞や脳出血によって起こる脳血管性認知症の危険性がとりわけ大きく高まります。これは高血圧が動脈硬化の危険因子であると同時に、脳梗塞をはじめとした脳の血管障害の危険因子であることに起因すると考えられています。また、仕組みはまだ完全に分かっていませんが、認知症の中で最も多く見られるアルツハイマー病の危険性も中年期の高血圧によって高まる可能性が高いことが分かってきました。家庭血圧が高い人は、家庭血圧記録を持参し、かかりつけ医に相談しましょう。